空手技術

【空手道稽古持論 技術】なぜ前屈立ちの踵が浮いてはいけないのか その理由とは

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空手で重要なもののひとつ『立ち方』 前屈立ちの移動で、道場生の方から 「軸足の踵 ...

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前の記事では、

まとめ

軸足へ掛ける力の位置が『つま先』になることで、足首の角度が鋭角になり、床から踵が浮いてしまう

『踵が浮いてしまう』ということの原理を、ブラクロ流に説明しました。

しかし、

なぜ軸足の踵が浮くことは何故いけないのでしょう…。

それは、

  • 軸足の全ての力を得ることができない
  • 特に股関節の伸展から得られる力を発揮できない

逆に、軸足の踵を付けることで得られる効果とは、

  • 軸足の全ての力を得ることができる
  • 特に股関節の伸展から大きな力を得られる

軸足の踵(かかと)を付けることが目的なのではなく、踵を付けることで大きな効果を得られるので、踵を床に付ける必要があるのです。

この記事では、

『なぜ踵が浮いてしまうといけないのか』

その理由を詳しく説明します。

前屈立ちの軸足から得られる効果

床からの反作用を得る

前屈立ちの軸足(左足)を床に押さえつけることで、床からの反作用を得ること。

床からの反作用を、体の推進力や技に伝えることが大きな目的のひとつです。

しかし、

ただ右足を前へ踏み出しただけでは、床からの反作用を得ることはできません。

関節は曲げるから伸ばすことができる

軸足の伸展には大きく3つの関節が関わっています。

足首、膝、股関節の3つです。

移動足(右足)を軸足に寄せた時、軸足の3つの関節が『適度に曲がっている』ことが大切です。

関節が曲がっているからこそ、軸足の3つの関節を伸ばすことができ、床からの反作用を得ることができるのです。

(厳密には、足首だけは伸ばすというより、押さえつけるという感覚です)

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つま先に力がかかると

関節を伸ばす筋肉が働く

踵が浮くということは、つま先に力が掛かっているということ。

実際に軸足のつま先に力を掛けてみると、脹脛(ふくらはぎ)と太腿(ふともも)の前面側に力が入ります。

上の絵の赤い色で表示した筋肉です。

関節は、『筋肉が縮むことで曲がる』もしくは『外力からの力で曲げられる』という基本的な原則があります。

つま先に力をかけ脹脛と大腿の前面の筋肉が緊張することにより、曲げたい関節を逆に『曲がらないように』関節を伸ばす筋肉(赤色の筋肉)が働いてしまいます。

前へ進むために軸足の膝や足首を曲げたいのに『つま先』へ力を掛けることにより、関節が曲がらないように筋肉を使ってしまっているのです。

股関節を曲げられない

前回の記事で紹介したように、つま先に力を掛けることにより、足首の角度(A)が狭くなり、足首の角度が狭くなることにより、股関節の角度(B)が広くなってしまいます。

関節は曲がった分だけ伸ばすことができ、伸ばした分だけ大きな力を得ることができます。

ですが、
これでは股関節の角度を十分に曲げることができていないため、大きな力を得ることはできません。

踵が浮いてしまってはいけないことの『まとめ』

  • 軸足へ掛ける力の位置が『つま先』になることで、足首の角度が鋭角になり、踵が浮いてしまう
  • 『つま先』へ力を掛けることにより、関節が曲がらないように筋肉を使ってしまっている
  • 股関節の角度を十分に曲げることができていないため、大きな力を得ることはできない

では、どうやって踵を床から浮かさないようにすればいいのか。

次の記事『前屈立ちの軸足の踵が床から浮かない方法』で説明します。

空手道は、学ぶことや面白いことでいっぱいである!

次の記事【空手道稽古持論 技術】前屈立ちで、軸足の踵が浮かないための方法

過去の二つの記事で、前屈立ちで踵が床から浮いてしまう原因や、なぜ踵が浮いてしまっ ...

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