空手技術

【空手と残心】基本一本組手で武道の「残心」の精神に触れる

押忍!ブラクロです。

今回は「残心」と「組手」についてお話しします。

武道には、「残心(ざんしん)」という重要な教えがあります。

残心とは

『相手を制した後でも油断なく、心と身体の構えを残しておく』ということ。

ブラクロ
武道の戦いとは、ポイントの多さを競い、「時間内に相手より少しでも多くのポイントを取れば勝ち」というものではありません

一瞬のミスで生死が分かれてしまう、武術という実践の中から生まれた教訓としての「残心」。

空手道も例外ではなく、「残心」が大切です。

空手道には、「約束組手」という稽古方法があり、今回は約束組手の稽古方法の中から、「基本一本組手」を例に残心を説明します。

約束組手の稽古で「残心」という武道の精神に触れてみませんか。

「残心」を大切に基本一本組手を行うと、攻防をするお互いの間にある空気が変わってきます。

空気が重くなるような、空気が緊張するような。

「空気が張り詰める」という感覚が、一番近い表現になります。

「残心」を大切に稽古をすることで、実践という一瞬のミスで生死が分かれてしまう、武道の精神に触れることができます。

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残心の目的

残心とは

  • 全身の気力を傾けつくして打ち、油断のない心が「残心」となる。
  • 「残心」があり、油断のない構えにかえることで「残身」となる。

武道では、常に相手と戦うためにいることを想定しています。

残心とは、自らの動作が終わっても相手からの攻撃や反撃に対応できるよう、油断のない心と身体の構を残すこと。

身体に力を入れてガチガチになっていては、動くことはできません。

心は油断なく気力を維持することで「残心」となり、身体は適度な緊張のなかでどんな変化にも対応できるようにすることが「残身」となる。

心の「残心」があるからこそ、「残身」として体に現れる。

「攻撃や反撃が終わったから」「相手が倒れたから」…と、こちかから一方的に心や体から緊張を解いてしまっては、「隙」以外の何物でもありません。

 

基本一本組手(上段)を例に説明

攻防が終わった後に「残心」

基本一本組手の攻防

  1. 攻める者(以下、攻め)は、前屈立ちから一歩前に踏み出し、相手の上段へ突き(追い突き)で攻撃をする。
  2. 受ける者(以下、受け)は、自然体に構えたところから一歩下がり、上段を防御(上段げ受け)し、中段へ反撃(中段逆突き)をする。
ブラクロ
ここで攻めも受けも、お互いに攻防が終わっても油断をしてはいけませんっ!

攻防の最中は、お互いの攻撃や反撃があるから集中をしていますが、技が終わった瞬間に気を緩めてしまいがちです。

攻めは、攻撃が終わったから元の位置へ戻る。受けは、反撃が終わったから元の位置へ戻る…

ブラクロ
では駄目なのです!

心に隙が生じています!

攻めは、受けの反撃が終わったことを確認してから、油断せずに元の位置へ戻る。

受けは、攻めが元の位置へ戻る動作を起こしたことを確認してから、油断せずに元の位置へ戻る。

お互いの攻防が終わった後でも、どんな変化にも対応できるように、仮に相手がさらに攻撃をしてきても対応できるよう「残心」で元の位置へ戻ることが大切です。

間合いの中にいるうちは「残心」

ブラクロ
ここでもまだお互いに油断をしてはいけませんっ!!

なぜなら、まだお互いに技の届く場所(間合い)にいるからです。

隙があれば、相手からの攻撃を食らってしまいます。

約束組手は、約束された技や動きの稽古ですが、それは練習方法として約束をしているだけ。

お互いの技が有効な範囲の「間合い」の中にいるときには「残心」を維持する。

お互いに礼を行い、相手の技の有効な間合いの外まで距離を確保する。

相手が攻撃をしてきても、余裕を持って対応できる(防御できる)距離を確保して、初めて心と身体の構えを解く。

私は相手の攻撃を余裕を持って対応できる間合いを確保することを「間合いを切る」と定義しています。

ひと通りの攻防が終わるまで「残心」

基本一本組手には

  • 上段突き
  • 中段突き
  • 中段前蹴り
  • 中段蹴込み
  • 上段(中段)廻し蹴り

の5種類があります。

一つの攻防が終わったあとに、次の攻防に移りますが、攻防が終わった後でも「残心」を維持し続け、次の攻防に移ることが大切です。

攻防の終わった後の「残心」は、「次の攻防の始まりに備える心と身体の構え」になるのです。

相手と向かい合った時から「残心」

お互いに礼を行い、基本一本組手の攻防ができる距離まで間合いを詰めて自然体に構える。

相手と攻防ができる距離まで間合いを詰めるということは、相手の技の有効な射程範囲に入るということ。

ここで自らに隙があれば、相手にやられてしまうかもしれません。

どんな変化にも対応できる「心と身体の構え」をつくり、間合いを詰めることが大切です。

お互いに向かい合った時には、心と身体の油断のない構えをつくること。

攻防の始まる前から「残心」であることが大切です。

 

あとがき

まとめ

  • 心は油断なく気力を維持することで「残心」となり、身体は適度な緊張のなかでどんな変化にも対応できるようにすることが「残身」となる
  • お互いの攻防が終わった後でも、どんな変化にも対応できるように、仮に相手がさらに攻撃をしてきても対応できるよう「残心」で元の位置へ戻ること
  • お互いの技が有効な範囲の「間合い」の中にいるときには「残心」を維持する
  • 相手が攻撃をしてきても、余裕を持って対応できる(防御できる)距離を確保して、初めて心と身体の構えを解く
  • 攻防の終わった後の「残心」は、「次の攻防の始まりに備える心と身体の構え」になること
  • 攻防の始まる前から「残心」であること

相手と向かい合い、攻防が終わり、相手と間合いを切るまで、心と身体を油断なく「残心」を行うことが大切なのです。

逆説的ではありましたが、私なりの「残心」について説明しました。

少しでも皆さんのこれからの稽古に役に立てば幸いです。

空手の稽古方法のひとつ、基本一本組手で「残心」という武道の精神に触れることができます。

 

空手道は、学ぶことや面白いことでいっぱいである。

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