空手道人生

空手の練習は危ない!?約束組手で空手を安全に練習ができる3つの理由

空手を始めたいと思っているけど、「空手は怖い」ってイメージはありませんか?

道場生
鼻血とか出ちゃうんでしょ⁉(汗)

と思う方もいるかもしれません。

空手の突きや蹴り(パンチやキック)には相当の威力があり、顔や体に当たれば怪我をすることもありますし、、当然鼻血が出ることもあるます。

空手を含め、武術には相手を倒すという共通目的があるため、練習には危険が伴う部分もあります。
実際に相手との攻防を行う「組手」も例外ではありません。

しかし、危険だからこそ安全性を考慮し、技術レベルに合わせてできるよう、体系づけられた練習方法が空手にはあります。

安全性を考慮した組手の練習方法のひとつに「約束組手」があります。

約束組手では、

  • 攻撃や反撃は相手に当てない「寸止め」
  • 事前に決められた(約束された)技での攻防

この二つの条件を設定していることで、初心者でも安全性を考慮した練習ができるように体系づけられています。

そして、空手を安全に練習をする一番の方法は「真剣に練習をする」ということなんです。

この記事では、私が所属している松濤館流の空手を例に、「約束組手で空手の練習を安全にできる3つの理由」を紹介していきます。

道場生
空手って怖い

と思っていた人が、

道場生
ちょっと空手って面白そう♪

と、一人でも多く感じてもらえれば嬉しいです。

最後までお付き合いください。

 

組手はどんな練習?

組手とは、

実際に相手と向かい合い、突きや蹴りなどで攻撃を仕掛けたり。

相手からの攻撃を防御したり。

実際に相手と攻防を行うことにより、覚えた技を相手に掛け合って技を磨く練習方法です。

  • 動揺する心
  • 集中力
  • 技をかけるタイミング
  • 駆け引き

など、相手との攻防を行う組手には、一人で行う形の練習だけでは得られないものがあります。

段階的に組手を練習していく方法の一つとして「約束組手」があります。

 

安全な理由1:攻撃や反撃は相手に当てない「寸止め」

空手で「寸止め」という言葉を聞いたことがある人もいるのではないのでしょうか。

先ほども紹介したとおり、空手の突きや蹴りには相当の威力があります。

そこで誰もが安全に組手の練習ができるように、相手の体に技を当てない「寸止め」という方法を採用しました

ちなみに、剣道では「防具」、柔道では「畳」を採用することで、安全性を確保しています。

「寸止め」とは相手の体ギリギリの距離という意味になります。

ブラクロ
熟練者は、威力ある技をコントロールし相手の体「数ミリ手前」に突きや蹴りを「ビシッ!」と“極める“ことができます

初心者の方など最初のうちは、相手の体から10cmくらい離れたところを目標に攻撃し、正確な攻防ができることを目標に練習を始めます。

個人のレベルや上達の度合いにあわせ、徐々に相手の体との距離を縮めて練習していきます。

 

安全な理由2:事前に決められた(約束された)技での攻防

覚えた技を実際に相手に仕掛けたり、相手の攻撃を防御することはなかなか難しいものです。

そのためまず初心者は、空手の基本的な攻防技術を学ぶために「事前に決められた」攻撃や防御方法で練習をします。

  • 攻撃する者は、攻撃目標を声に出して相手に伝え、事前に決められた攻撃方法で相手に攻撃をする。
  • 防御する者は、事前に決められた方法で相手の技を正確に防御し、素早く反撃をする。

技を事前に約束し限定することで、攻撃や防御に集中でき、身につけた技を練習することができます。

 

安全な理由3:危険だからこそ「真剣に練習をすること」が一番の安全

攻撃や反撃は、相手に当てないことを前提にしているからといっても、

  • 乱暴に技を振り回したり、間違って攻撃を当ててしまえば、相手に怪我をさせてしまうかもしれません。
  • 防御する者も気を抜いていれば、攻撃が当たったときにダメージが大きくなってしまうかもしれません。
  • 攻撃や防御も、相手に技が当たらないからと手の握りが甘ければ、突き指をしてしまうかもしれません。

失敗すれば「怪我をさせてしまう」「怪我をしてしまう」という認識をもって「真剣」に稽古することが大切です。

これはネガティブな捉え方ではなく、ポジティブな考え方です。

空手という技は、相手を倒す前提に作られた技になんら変わりはありません。

ブラクロ
だからといって、技の威力を弱めたり、目標をズラすようなことをしていては、本末転倒です。

課題や脅威があるからこそ、人はそれを乗り越えようとする。

「失敗をすれば怪我をさせてしてしまうかもしれなから、しっかりと技をコントロールしよう」

「相手の攻撃が当たるかもしれないから、しっかり気を引き締めて相手の攻撃に対応しよう」

「相手がシッカリと防御できる練習になるように、コントロールをした強い攻撃をしよう」

攻撃する人、防御する人の「真剣に取り組む姿勢」こそが、組手を含め、空手の練習を安全にするのです。

もちろん初心者へいきなり強い攻撃をすることはありませんし、段階的にレベルを上げていくことは大前提です。

しかし、「相手へ技を入れるつもりのない攻撃」や「相手の攻撃は当たらないと思っている防御」では、いつまで経っても技をコントロール出来るようになりませんし、防御できるようにもなりません。

いつまで経っても危険なままなのです。

 

あとがき

まとめ

安全に練習する約束組手

  • 攻撃や反撃は相手に当てない「寸止め」
  • 事前に決められた(約束された)技での攻防
  • 一番の安全は「真剣に練習をする」こと

相手に攻撃を当てないという前提であっても、突きや蹴りなどが顔や体に向かって攻撃されるということは怖いことであり、日常ではあまりあることではないと思います。

「怖い」からこそ、そこにうずくまるのではなく、どうやったら危険な技を回避することができるかを考えるのです。

「怖さ」や「危ない」ということに慣れるのではなく、「怖い」「危ない」と思うから防御する技を練習するのです。

  • 攻撃する者は、拳の先までコントールする
  • 防御するものは一瞬も気を緩めずに反応する
  • お互いを高めるために真剣に稽古をする

お互いに「自分という身体」だけを使い、「真剣」になる感覚や道場の空気は、体験したことにしか分からない緊張感や達成感を味わうことができます。

課題や脅威があるからこそ、それを「練習し乗り越えようとする姿勢」が空手にはある。

ちょっと興味が湧きませんか?(^^)

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