空手技術

【前屈立ち】腰を正面に向けられない方へアドバイスする3つのポイント

こんな方におすすめ

  • 前屈立ちで、腰を正面にうまく向けられない方
  • 腰を正面へ向ける方法を具体的に指導したい方

松濤館流の空手の特徴のひとつ、腰の半身・正面。

例えば前屈立ちで後ろ足の膝を伸ばし腰を押し出しても、イマイチ腰が正面に向かない…。
前屈立ちで「もっと腰を正面にむけるように」と言われたことはありませんか?

もしかしたらその前屈立ちは、『腰が正面に向きにくい』ように立っているのかもしてません。

ブラクロ
正直な話、私も「腰を正面に向けるように言われてできるならこんなに苦労しないよ(汗)」と思ったこともあります。
本人としては向けようと努力しているのに、腰が正面に向かない訳ですから…。

この記事を見ている方も少なからず、前屈立ち腰の向きに苦労していたり、糸口を探していると思います。

ブラクロ的持論で、前屈立ちと腰の向きの関係性を3つ『具体的』に説明します。

前屈立ちと腰の向きの関係性を理解することで、皆さんの前屈立ちや腰の向きがレベルアップできるかもしれません。

前屈立ちの立ち方(左前屈立ちを例に)

基本は自然体立ち

両足を左右へ腰幅に開き、つま先をやや外側にして立つ。(自然体立ち)

両足が左右一直線上にあれば、腰は正面を向いているのが普通です。(両足が揃っていれば、腰は正面を向けていられるということ)

前屈立ちの立ち方

①、両足の横幅(腰幅)をそのままに、左足を足の長さ分前に出す。
②、重心の位置を前側へ6:4の比率で前側へ
③、左足の角度は小指側の線を正面に対して垂直に。(つま先が少し内側を向く)
④、右足の角度は自然体立ちの角度のまま(左足の角度と並行から若干つま先を開いたくらい)
⑤、左膝(前足)を十分に曲げる(左足のつま先が膝に隠れて見えなくなるくらい)
⑥、左膝頭は左足の親指の内側の真上の位置へ(膝を内側へ締める)
⑦、両足の裏を床に密着させる

この前屈立ちという『下半身の立ち方』の上に上体を垂直に乗せる。

前脚の股関節を軸に、腰の向きを正面向きか斜め前向きの半身の姿勢に向けることが、強い技への原動力になります。

前屈立ちと腰の向きの関係性3つのポイント

関係性① 前足の向きと腰の向き

前屈立ちの前足(左足)の角度は、足の小指側の線が正面に対して直角。

  • つま先を左側(外側)へ向けると、腰の向きも左側を向きます。
  • つま先を右側(内側)へ向けると、腰の向きも右側を向きます。

前足の角度(つま先の向く方向)は、腰の向く方向と大きく関係をしています。

関係性②後ろ足の向きと腰の向き

後ろ足(右足)のつま先の角度は、自然体と同じ角度。

  • つま先を右側(外側)へ向けると、腰の向きも右側を向きます。
  • つま先を左側(内側)へ向けると、腰の向きも左側を向きます。

後ろ足の角度(つま先の向き)も、腰を向ける方向に大きく関係をしています。

関係性③両足の開き幅のと腰の向き

前屈立ちの両足の横幅の基準は、腰幅。

  • 前足を基準に後ろ足を外側へ動かし、両足の横幅を広くすると、腰の向きも左側を向きます。
  • 前足を基準に後ろ足を内側へ動かし、両足の横幅を狭くすると、腰の向きもは右側を向きます。

両足の横幅も、腰を向ける方向に大きく関係をしています。

腰を正面に向けられる位置を探すこと

前足の角度、後ろ足の角度、両足の開き幅が腰の向きに大きく関係していることを説明してきました。

しかし、人はそれぞれ筋肉の量や関節の柔軟性は違うため、身体の使い方も違います。

大切なことは、前屈立ちと腰の向きの関係性を理解し、腰を正面に向けられる『両足の角度』や『両足の位置』を探し出すことです。

ブラクロ的な方法としては、

  • 前屈立ちの立ち方を基本として、『前足の角度は小指側の線を正面と直角』に向ける。
  • 前足を基準に、後ろ足の膝を伸ばした時に腰を正面に向けやすい『後ろ足の角度』や『両足の横幅』の位置を探し出す。

絵に描いたような立ち方になることが目的ではない

つま先の角度が何度でなければならないとか、足の開き幅が何センチでなければならないとか、絵に描いたような前屈立ちに立つことが目的ではありません。
立ち方とは、立つことにあるのではなく、技を有効に使うためにあるものです。

腰を正面に向けられない立ち方で強引に腰の向きを変えるのではなく、腰を正面に向けやすい立ち方で腰の向きを変える練習をすること。
腰をしっかりと正面に向けることができれば、半身から正面に向ける腰の勢いを十分に技に伝えることができるようになります。

あとがき

まとめ

『前足の角度』『後ろ足の角度』『両足の横幅』が腰の向きに大きく関係をしている。

前屈立ちと腰の向きの関係性を理解し、前屈立ちで腰を正面に向けられる『両足の角度』や『両足の位置』を探し出すこと。

言葉で知ることと、実際に試してみて知ること(得られること)ことには大きな違いがあります。

理論を理解することは手段であり、目的は体得をすることです。(この記事を読むことも手段のひとつです)

自らの身体で何度も試すことが大切です。

十分に腰を正面に向けられるように『今から』練習をしましょう!

空手道は学ぶことや面白いことでいっぱいである

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