押忍、ブラクロです!
皆さんは、自分の動きを理解して練習をしていますか?
という人に、私からのアドバイスがあります。
しかし、”ただ”ゆっくりと動くことが目的なのではありません。
『自らの身体の中から上達へのヒントを得ること』が目的なのです。
これからお伝えしていくことは「これさえやれば上手くなる」という特効薬ではありませんが、「人生山あり 谷あり」と言うように、練習で「ちょっと伸び悩んでいる」ときや、「しっくりこない」ときに試してもらいたい方法なんです。
この記事では、
- 「ゆっくり動くこと」とは
- 自らの身体からヒントを得ること
を紹介します。
最後までお付き合いください。
目次
「ゆっくり動くこと」とは
ゆっくり動くこととは、動きの情報量を多くするということです。
例えるなら、アニメーションなどの映画や動画がイメージしやすいと思います。
映画や動画を制作するときには、一秒間に何枚ものイラストをつなぎ合わせ、なめらかな動きを生み出しています。
仮に、一秒間のイラストの枚数が少なければ、動きはカクカクしますし、イラストの枚数が多ければ、動きはスムーズになることは想像できることだと思います。
「ゆっくり動くこと」とは、一つの動きを細かく分け、何枚ものイラストに分ける作業のようなもの。
自分の頭の中に”イメージ”として描き、動いてみる。
そして1枚1枚のイメージは、細部まで細かく描いてみること。
普段は認識できなかった自分の動きを、改めて認識する作業。
ある意味、速く動いている動きのなかで誤魔化していることや、認識できていないことを改めて認識をすること。
動きにブレーキをかけるのではなく、動きを限りなく細かく分け、自分の身体がどんな動きをしているかという情報を緻密に認識をすること。
股関節と大腿骨の関連性を理解するために、限りなくゆっくりと動作を行う練習をした。
微妙な動作にこだわっていたら、5分で8歩しか前へ歩けなかった。
もっともっと緻密な動きを練習しよう!
— ブラクロ@黒帯空手びと (@burakuro_karate) January 24, 2022
自らの身体からヒントを得ること
「今の自分」の動きを知る
先ほども紹介をしましたが、ゆっくり動くこととは、動きを限りなく細かく分け、自分の身体がどんな動きをしているかという情報を緻密に認識をすること。
例えば、一歩前に踏み出し、右足に体重が乗るという動きを細かく分けると、
- 足の裏に体重が掛かる
- 足首で体重のバランスをとる
- 脛(スネ)の角度が前へ倒れる
- 膝が前へ送られる
- 大腿(モモ)に体重が掛かる
- 股関節で体重を受け止める
(更に細かく分ければもっと数は増えますが、ここは説明上6つの動作に分けています)
今まで認識できていなかった動きを細かく分け一つ一つの動きを緻密に認識することで、今の自分の動きを知ることができます。
- 足の裏のどこに体重がかかっているか
- 足首がどの方向にバランスをとっているか
- 脛がどれくらい前へ倒れているか
- 膝はどの方向へ送られているか … など
「本当は理解できてい」ないことを知る
一歩前踏み出すだけでも、これほどの動きがあります。
それぞれの動きが組み合わされることによって、体全体が動かされています。
そして、細かく分けた一つ一つの動きを組み合わせ、最善の動きを選び出す練習。
今まで何気なく練習していた動きが、いかに『理解できていなかったか』を改めて知ることになるでしょう。
「知識や技術を理解できていなかった」と実感することで、初めて本当の『探求への道へのスタートラインへ立つ』ことができます。
突き詰めていく力を高めていく
限りなく細かい動きの中から動きを組み合わせ、自分の動きを理想に近づける。
でも、その動きがなかなか理想に近づかない。
何度も動きを繰り返し、突き詰めていくことで
- 自分に何が足りないのか
- どこが上手く機能していないのか
明確にするればするほど、これから自分が何を学べばいいのかが見えてきます。
「自らが突き詰めていく力」が、答えのない世界で「これから自分を高めていく力」になるのです。
学びの感度が高まる
自分に何が足りないのかを明確にすればするほど、「学びの感度」が上がります。
- 漠然と先生の動きを見ているよりも、自分に足りない部分が認識できているからこそ、自分に足りない部分を見つけ出す観察力が高まる
- 自分に足りない部分が認識できているからこそ、先生に明確な質問ができる
- 何気ない事柄から、自分が求めているヒントに気づく事ができる
足りない部分が認識できているからこそ「学びの感度」が高まり、一つの事柄から学び取れる情報量が多くなるのです。
仮に一回の練習で、普段よりも”1%”だけでも多く学び取ることができたなら、一年でどのくらい学び取れることができるでしょう…。
関連記事黒帯(初段から)が成長していくために必要な「独学」とは⁉詳しく解説!!
「ふと気づくこと」ができる
何かを求めて行動をしたり、様々なことを積み重ねていく過程の中で、ふと気づくことがあります。
ただしその気づきは、予定して得られるものではありません。
- 稽古中なのか
- シャワーを浴びているときなのか
- 散歩をしているときなのか
いつ舞い降りてくるかもわかりませんし、必ず舞い降りてくるとも限りません。
今まで積み重ねてきた経験や知識が絡み合ったり、頭の中で整理がされたり、なんらかの刺激が加わることで、ふと気づくことがある。
頭の中でバラバラになっていた情報や経験、思考がふとしたきっかけでギアーが噛み合ったり、何気ないことがヒントになり、今まで気づかなかったことに「気づけること」があります。
必ず舞い降りてくるというものでも、予定して得られるものではありませんが、積み重ねてきたからこそ、気付けるだけの探求や経験があったからこそ「ふと気づくこと」ができるのです。
そしてその「ふとした気づき」は、行動した人にしか得られない自らの身体から導き出した貴重な感覚や情報なのです。
あとがき
ゆっくり動くこととは
・動きを限りなく細かく分け、自分の身体がどんな動きをしているかという情報を緻密に認識をすること
自らの身体からヒントを得ること
- 今まで認識できていなかった動きを細かく分け、一つ一つの動きを緻密に認識することで、今の自分の動きを知ること
- 「知識や技術を理解できていなかった」と実感することで、初めて本当の『探求への道へのスタートラインへ立つ』ことができる
- 「自らが突き詰めていく力」が答えのない世界で、これからの自分を高めていく力になる
- 足りない部分が認識できているからこそ「学びの感度」が高まり、一つの事柄から学び取れる情報量が多くなる
- 積み重ねてきたからこそ、気付けるだけの探求や経験があったからこそ「ふと気づくこと」ができる
私は「完璧な答え」というものは存在しないと思います。
完璧な答えがないからこそ、学び続けていけるのだと思います。
そして、上手くいかないことがあるからこそ、困難があるからこそ、立ち向かい、成長していくことができるのだと思います。
これからも稽古をして、一緒に成長をしていきましょう。
押忍!