押忍!ブラクロです。
我が道場には、二段を目指す道場生が二人います。
私は、二段を目指すためには派手な技を覚えることよりも、一つひとつの技の質を高めることが大切だと思います。
二段として恥ずかしくない、一つの突き、一つの蹴りを目指す。
私の稽古方法は、人によっては「遠回りな方法かも」と思うかもしれません。
しかし、一つひとつの技の質を上げることが、これからも更に上の段を目指していくために必要なことだと思っています。
今回は、二段の昇段審査の移動基本に出てくる『三本連突きの質を上げること』を課題に、『踵の力を技に伝えること』を目的に稽古してみました。
三本連突きだけでなく、踵の力を技に伝えることは他の技にも大切なことですので、この記事が昇段を目指す人の稽古の参考になれば幸いです。
どうぞ最後までお付き合いください。
目次
その場基本(前屈立ち)
前屈立ちの足を固定させて
稽古その①
左前屈立ち、左縦手刀構えから
- 右中段逆突き
10回
(右前屈立ち、左中段逆突きも同じく)
まず、今の自分ができる技の現状を確認しましょう
稽古その②
左前屈立ち、左縦手刀構えから(後ろ足になる右足の踵を上げ、つま先立ちになる)
- 右足の踵を押さえつけ、同時に右中段逆突き
10回×2セット
(右前屈立ち、左中段逆突きも同じく)
- 今回はあえて"大きな音を立てるように"踵を踏みつける!
- 股関節の押さえつけで後ろ脚を突っ張り、強く踵を踏みつけることが"コツ"です
- 踵を踏みつけた"瞬間"の力を逆突きに伝える"感覚"を何度も試してみましょう(2セットやることで、1セット目の反省を2セット目に生かす)
自然体立ちから、足を後ろに下げて前屈立ちになりながら
稽古その③
自然体立ち、左縦手刀構えから
- 右足を後ろに下げ左前屈立ち、右中段逆突き
- 右足を元に戻し、自然体立ち(手はそのまま)
- 左足を後ろに下げ右前屈立ち、左中段逆突き
交互に10回×2セット
- 踵を踏みつける足を後ろに動かすことで、着地するときに"より踵を大きな音を立てて"踏みつけ、後ろ足の強い突っ張りの力を発生させる感覚を養う
- 後ろ足の強い突っ張りの力を、いかにして突きに伝えるか、自分の身体で何度も試して感覚を養いましょう
稽古その④
その③の動作で、『腰を半身』『腰を正面』で踵の力を技に伝える練習
- 上段刻み突き(腰を半身)
- 揚受け(腰を半身)
- 外受け(腰を半身)
- 内受け(腰を半身)
- 下段払い(腰を半身)
- 上段順突き(腰を正面)
- 中段順突き(腰を正面)
- 後ろ足の踵を踏みつける力を、どうやったら突き技や受け技に伝えられるか
- 踵の力を技に伝える"コツ"は、肩や腕の力を抜き力を武器(拳や腕)に伝えること
稽古その⑤
徐々に三本連突きに近づけていく
自然体立ち、左縦手刀構えから
- 左足を下げ右前屈立ち、右上段順突き
- 左足を元に戻し、自然体立ち(手はそのまま)
- 左足を下げ右前屈立ち、左中段逆突き
- 左足を元に戻し、自然体立ち(手はそのまま)
- 左足を下げ右前屈立ち、左中段順突き
- 左足を元に戻し、自然体立ち(手はそのまま)
続いて左前屈立ちでも行う
10セット
- 前屈立ちになった後に毎回足を自然体立ちに戻し、三本連突きをやっているイメージです。
- 徐々に踵を踏みつける動作から、押さえつける技術へ高め、"踵の音をさせなくても強い後ろ脚の突っ張り"を得られるように練習しましょう
自然体立ちから、足を前に踏み出して前屈立ちになりながら
稽古その⑥
自然体立ち、左縦手刀構えから
- 右足を前に踏み出して右前屈立ち、右上段順突き
- 右足を元に戻して、自然体立ち(手はそのまま)
- 右足を前に踏み出して、左中段順突き
- 右足を前に踏み出して、自然体立ち(手はそのまま)
- 右足を前に踏み出して、右中段逆突き
- 右足を元に戻して、自然体立ち
続いて左前屈立ちでも行う
10セット
- 後ろ足動かさなくても、踵と股関節で後ろ脚を突っ張れるように
- 一つの突き技ごとに、毎回後ろ足の力を突きに伝えること
- 技が極まるときの"身体の緊張"と、自然体立ちへ戻るときの"力の抜き"もここで覚える
移動基本(三本連突き)
三挙動で
稽古その⑦
左前屈立ち、下段払い構えから
- 前へ右前屈立ち、右上段順突き
- その場で左中段逆突き
- その場で右中段逆順突き
前へ左前屈立ちになり同じく行う
5セット(要は三本連突き5回ということ)
- あえて3挙動にすることで、一つの突きごとに毎回踵の力を突きに伝える
- 一回ごとに踵の力で突きを極める
- 突き終わった後には、次の突きのために踵を踏み込めるように"瞬間的に"力を抜くことも技術として練習する
稽古その⑧
左前屈立ち、下段払い構えから
三本連突き(1挙動)
5回×4セット
1挙動ではあっても、一つの突きごとに毎回踵の力を突きに伝える
瞬間的な身体の締めと、"瞬間的なチカラの抜き"を練習する
瞬間的なチカラの抜きが三本連突きの突きと突きの間の動作を速くする
まとめ
『三本連突きに踵のチカラを伝えること』を目標に今回稽古をしました。
踵のチカラの伝え方は、他の技を強くするためにも応用させていくことができます。
別の日の高段者への稽古で、『後屈立ち』や『騎馬立ち』でも踵のチカラを突き技に伝える練習をしました。
立ち方が変わることで、身体の軸がブレてしまったり、肩で腕を引っ張ってしまったりしてしまうこともありました。
そして『抜塞(小)』の型の練習へ生かす。
『拳という"武器"にロスなくチカラを伝えること』
身体で試すことで得られる経験やフィードバックは、言葉で得られるものより数倍大きい。
上手くできるか、上手くできないではなく、何度も自分の身体でためすこと。
悩んだ時や失敗からのほうが、得られることが大きいことは多くの人が経験していると思います。
稽古しましょう!